KPI管理に従業員を巻き込むコツ


 KPIはトップダウンで推進すべきであり、その成否は経営トップのコミットメントにかかっています。経営トップの全権委譲を受けたKPI管理チームを中心とするKPI管理体制が整って、継続的なパフォーマンス計測が間違いなく行われたとしても、指標が悪い状況を示しているにもかかわらず、従業員がKPI管理を自分の責任として捉えず、何のアクションも取らないと、その企業の業績は上がりません。KPI推進にあたって実際に動くのはオペレーションの最前線で働いている従業員です。従業員がKPI管理を正しく理解し、興味を持って自発的にアクションを取れるようにすることが、KPI管理を成功させるための鍵です。

KPI導入にあたって

 従業員を巻き込むには、KPI選定の初期段階から、従業員自らに考えてもらうワークショップを催し、そのワークショップに経営陣も参加することが重要です。KPI管理導入の目的は業績の劇的な向上であり、そのためには今までのやり方とは違うやり方の導入が必要であることを、経営陣が自らの口で話します。従業員はこれを聴いて、KPI管理とは何かを深く理解し、KPI管理は彼らを苦しめるためではなく、職場や会社業績をより良くするものだと理解できるようになります。また、経営陣が参加する姿を見ることにより、KPI管理は会社にとって非常に重要なプロジェクトであることが認識できます。

 従業員がKPI管理を正しく理解し、少なくとも何か今までとは違ったことをしなければいけないという認識に至って始めて、KPI管理導入後に自発的なアクションができるようになります。

感情に訴えることも有効

 従業員がKPIを「他人事」ではなく「自分事」と感じられるようになるためには、従業員の感情に訴えることも有効です。ジョブディスクリプション(職務記述書)に書かれたタスクだけをこなす欧米企業の従業員とは違って、日本企業の従業員はスタッフに至るまで、業務の中で自発的に改善活動を続けるのが、昭和の高度成長期の日本企業の強みとされたことがありました。これは今でもあてはまることですが、すべての企業で期待できることではありません。KPI管理を成功させることによって、従業員各人が個人的に金銭的、精神的に利得を得られることを、従業員に意識的にプレゼンテーションしていくことも大切です。

 例えば、「業績指標計測とその結果への対応により、皆さんの業務をより快適に、挑戦しがいのあるものにできます」、あるいは、「KPI管理によって、会社はより多くの利益を生み出し、皆さんの給与、ボーナスにも反映されます」といった動機づけです。

現場の責任を明確に

 このような従業員を巻き込む努力をしたにもかかわらず、KPI管理が運用段階に入った後、従業員が必要なデータを入力しない、形式的な対応で済ませているなどの、長年に渡って染みついた企業文化に根ざす問題に直面することがあります。

 これを防ぐためには、現場の責任者を明確にする必要があります。つまり、各現場においてKPIオーナーを決めるということです。このKPIオーナーは単なるコミュニケーションの窓口に留まらず、KPI管理チームとの定期的な面談の時間を確保し、KPI管理チームが必要とする情報を正確にタイムリーにレポートする責任を担います。そのため、各部署の現場のオペレーションに熟知した担当、もしくは、情報に簡単にアクセスできる情報システム担当のどちらかが 適任です。

 各部門のKPIオーナーは、担当役員はもちろん、各従業員、さらには外部業者まで、いかなる関係者もKPIプロジェクトに有益な貢献ができるような状況を作ることが重要です。そのためには、KPI管理チームが、各部門のKPIオーナーを手厚くサポートすることが必要不可欠です。また、数値の短期間での悪化などの場合には、担当役員が該当のKPIオーナーと直接コミュニケーションを取ることも必要になります。経営者のポジティブな介入は、組織全体に「やり切る企業文化」を醸成することにもつながります。

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