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よくある間違い-KPIとKGIの違い


KPI

KPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)は、企業が経営目標に対してどのように実績を出しているかというベンチマークをするための指標です。KPIを導入し運用していく中で最も難しいのは、正しいKPIを選定することです。正しいKPIさえ設定できれば、その後のプロセスは比較的簡単です。


KPI選定時によくあるのは、KGIとの混同です。両方とも企業経営において目標を達成するために設定される指標ですが、実務においてその違いを理解しないまま、KGIをKPIとして設定してしまうことが往々にしてあります。


どう違うか?

KGIとはKey Goal Indicatorのことで、Goalという単語が含まれていることからわかる通り、経営の目標(Goal)を達成したかどうかを定量的に測る指標です。KGIの代表例としては、

  • 営業利益

  • 売上高

  • 成約数

  • ROE(株主資本利益率)

  • 顧客満足度

などが挙げられます。これらの指標の特徴は企業活動の「結果」を示すということです。KGIは企業活動が問題なく行われているかの結果を教えてくれます。しかしながら、それらの結果をどのように向上したらいいかは教えてくれません。また、これらのKGIは、取締役会など日々のオペレーションに携わっていない経営者への報告には有用ですが、日々のオペレーションには役に立ちません。さらに、KGIが計測される周期はKPIより長く、通常、月次や四半期ごとです。


間違ったKPIを設定すると・・・

KGIをKPIとして設定して運用を始めてしまうと、継続的なパフォーマンス計測が間違いなく行われて、従業員が計測された数値を見ても、どのようなアクションが必要なのかがわからないままになってしまいます。例えば、企業としての目標「月額売上300万円」をKPIとして設定してしまった場合、従業員ひとりひとりにとっては、取るべきアクションは、顧客訪問回数を増やす、顧客一人あたりの販売額をアップさせるなど様々あって、売上の実績値をきいても、そのうちのどのアクションを取ればよいのかが直接認識できません。


また、長い周期(月次、週次)でしか計測されないパフォーマンスの数値では、日々のオペレーションの改善に迅速につなげることができません。例えば、営業部門において、月次もしくは週次の営業会議などで、売上高などのパフォーマンス数値を各営業マンに示すことが多いですが、月末に売上高が目標に未達であると気づいても時既に遅く、その月の目標達成は多くの場合、不可能です。


KPIは金額ではない

もうひとつ重要なことは、KPIは財務関連の指標ではない(円やドルでは表示できない)ということです。円マークやドルマークが付いているものはKGIです。KPIはそれらのKGIよりも企業の構成員ひとりひとりの行動に根ざして存在すべきものです。例えば、あるECサイトが月額300万円の売り上げを目標としていたとすると、「月額売上300万円」がKGIとなります。そして、売上を現状から300万円にアップさせるために以下が必要であれば、

  • 訪問数10%アップ

  • 転換率20%アップ

  • 客単価は現状維持

これらのうちの最も重要な指標がKPIとなります。


KPIは未来志向


KGIは過去の出来事を振り返り、目標を達成したかどうかを計測するために使われる指標であるのに対して、KPIは現在もしくは未来に向けて指標であり、目標達成までのプロセスを評価するために使われ、いくつかの重要成功要因や戦略目的の成否に直結する影響力を持っています。KPIはその企業の成功のために最も重要なパフォーマンスを測るべき指標であり、KPI自体がどのようなアクションが必要かを教えてくれるように設定しなければなりません。そのKPIが目標に達していないのであれば、どのレベルの従業員も何をするか理解できるように設定する必要があります。


KPI設定は慎重に

KPIを設定する前に、KPIが従業員に対して望ましいアクションを自然にもたらすかどうかをテスト運用して確認する必要もあります。テスト運用してみると、KPIだと思って設定したものが、実はKGIであったということもありえます。運用段階になって混乱をきたさないように、KPI管理は始めが肝心です。

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