STEP3. 勝つKPIを選定する [チームレベルの業績指標を選択する]

KPIワークショップの実施後、各チームは、ワークショップで行った、因数分解、KPIツリー等を駆使し、KPI管理チームのサポートを受けながら、早速チームレベルの業績指標選定に進みます。本ステップは業績向上のために非常に重要なステップとなります。適切なチームの業績指標の計測は、そのチームが組織のゴールに向かって進むために非常に重要です。そのためにはそのチームの業績指標が重要成功要因(CSF)にしっかりと紐付けられることにより初めて実施可能となります。

チームの業績指標は通常RI、PI、時にはKPIと直接的に関係のある部署よって計測されます。従い、なんらかの売上やコスト関係の指標をとるために経理と話さないといけないということにはなりません。

経営陣はしばしば全社レベルのKPI管理の導入にフォーカスしがちですが、実際には各チームが24時間体制でそのKPIに対応して動けるかという点がより重要です。

何故チームの業績計測は重要か

全ての社長は従業員の日々の業務は全社の戦略に沿ったものであってほしいと願っています。しかしながら、ほとんどがそのような状況になっていません。組織の目的が主要20大顧客からリピート注文を得るというものなのに、マーケティングチームは顧客満足度やNPSを不定期に計測しているということが多々あります。

重要顧客の満足度が最も重要であるなら、業績上重要なインパクトを与えることのない顧客の満足度を計測する必要はありません。全ての顧客に同じレベルの配送品質を提供する必要もありません。業績に重要な影響を与えることのない顧客の配送品質を少し低減してでも重要な顧客にはより手厚いサポートを提供するべきでしょう。こういったちぐはぐな事例は、いかに経営陣が従業員に会社にとり重要な成功要因とは何かをしっかりと説明することに失敗しているかという事実を物語っています。

ひとたび、この戦略目的に沿うようにKPIを設定することができれば、従業員の努力に付随するアウトプットの質と生産性に関して劇的な向上が見込まれるはずです。

このチームレベルの業績指標を成功裏に決めるために、下記の2点を留意して進めます。

  1. 各チームから全社的CSF(重要成功要因)に対する充分な理解を得ること

  2. 各チームの業績指標を各チーム自身が計測できること

チームレベルのKPI選定のために下記の7つのタスクを実施します。

タスク1.KPIワークシートを実施する

初めに参加予定の全てのチームに下記質問表に回答してもらい、これから何が起こるのかを我が身に例えて理解してもらいます。

  1. 日々の生活の中で貴方自身の健康のCSFとは何ですか?より長く生きるために何が貴方にとり重要な要素ですか?

  2. もしそれが貴方の健康維持のために重要だと理解すればどのように計測しますか?

  3. 上記を実行することで貴方の健康状態を計測することはできますか?

  4. 同様に企業の健全性や長期の反映を考えた時に重要な要素がCSFです。次の要素が当社のCSFです。(例を提示)

  5. それぞれがなぜ重要なCSFなのか理解できましたか?

  6. 何故業績指標の計測が重要だと思いますか?

  7. CSFのその業績指標計測に関して質問はありますか?

タスク2.KPI導入チームワークショップを実施する

KPI管理チームは各チームが全社的重要成功要因に紐づいたKPIを抽出し計測できるように、トレーニングと支援を提供します。多くのチームを一度に招集すると、それぞれのチームが各チーム間の視点の違いを理解しながら学習できるので効率的です。

会社の規模にもよりますが、1つのワークショップには最大30人程度の参加者を招集します。そ参加者を4人から7人で構成されるディスカッショングループに分類します。

KPI導入ワークショップ

ワークショップ1:

抽出されたトップ5から8個のCSFに対して必要な業績指標に関するブレインストーミングを実施します。

学習目標:成功に必要な5から8個のCSFをより良く理解する。

  1. 本日の目標の共有

  2. 各チームのCSFを選択する

  3. 選択したCSFに対するブレインストーミング。過去、現在、未来の指標についてバランスよく採用しているかを確認する

  4. 他チームのSFについてもフィードバックする

  5. 各グチームは2つから3つのKPIを最終的に抽出する。特にどのように入手し、日々どのように改善していくのかを検討する

ワークショップ2:

各チームのOKRを完成させる

学習目標:各チームの業績指標候補に磨きを掛ける

  1. ワークショップ1で抽出したKSFに対するOKRを設定する

  2. 戦略目的の項目に対して欠落しているものはないか確認する

  3. 各チームのOKRと業績指標を発表する。発表された指標に対してコメント、議論する

ここでも先のKPIバランシングで実施したように、各チームの業績指標間でバランスが取れるように仕向けます。もし重要成功要因が既に明確に規定されている場合は、戦略目的の各成功要因にバランス良く配分されるよう留意します。

チーム内である業績指標が計測するのに適切かどうかを判断するには下記のポイントを確認します。

  • 計測によりもたらされる結果と収集にかかる手間と時間の費用対効果

  • 十分な正確性が担保されているか

  • 継続的に余裕のあるタイミングで入手できるかどうか

ブレーンストーミングセッションではマインドマップを利用して各要素に紐づく業績指標を洗い出していきます。

タスク3.時制でのバランシングを行う

KPIバランシングの一環としてここでは、過去、現在、将来のそれぞれの時制に対して適切な指標がバランス良く含まれているかを確認します。現在の指標は24時間体制で計測されるべきで、将来の指標は、アクションが行われる時点での将来の日付が記録されているべきです。(例:主要顧客との次のミーティングの日付、次のプロダクトのリリース日、主要顧客との社交イベントの日付等)

KRIやRIは全て過去の指標となります。このように現在使用している業績指標は現在、過去、未来のいずれかに分類されます。今後設定されるKPIのほとんどが現在か未来に分類されるでしょう。

タスク4.チームの業績指標が進化することを認める

通常一度や二度の試みで完璧なKPIを抽出できることはありません。またひと度KPIが設定されたらそれにともなう個人の指標・目標を設定しますが、問題の解決と目標の進歩と共にKPI自身も常に進化していくべきです。従い、先ず従業員に伝えなければならないメッセージは、よく考えはしますが考えすぎないで、素早くKPIを選定することです。また、選定されたKPIに対して全力を尽しますが、途中で機能しないと認められた場合はKPIが変化をすることを認めます。事前にそのことを従業員に伝えることで、従業員はリラックスしてKPI活動に取り組むことが可能となります。

タスク5.80:20ルールを適用する

チームが選択したKPIをどのように計測するか調査している時には、現実的に緩急をつけて解決することが重要です。指標を計測するためにかかるコストは、計測することによってもたらされる利益よりも小さくなるべきです。指標を採用する際には、計測するための手法はどうするのか、どのような周期で計測するのか、どれだけの期間を計測し続けるのかを考慮し、そもそも計測が可能かどうか、また継続して計測して意味があるかを検証します。先述の80:20ルールを適用し、会社にとり真に重要なKPIのみを選定し、詳細に計測する必要があります。

タスク6.責任者を明確にする

チームレベルのKPI導入の目的はチームが自走して業績改善をすることを手助けするためのものです。そのためには各チームがしっかりと、KPIの計測は結果的に全社レベルの重要成功要因の向上につながるということを理解し、責任を持って日々の業務に当たるべきです。もし各チームがその目的を逸して業務を行っているのであれば、KPI管理チームは問題点を指摘して方向修正させます。また、各指標に個人名で担当者を決めることはその責任の商材を決めるという意味で非常に重要です。

タスク7.各チームの最大業績指標数を定義する

ビジネスの規模にもよりますが、ガイドラインとして最大20個までが各事業部が常用する指標の上限とします。これ以上の指標を持つことは計測しレポートするためのリソースが足りなくなるか、フォーカスを無くすことに陥ります。この20個までの指標はいくつかの全社的KPIを含むことになります。従い、各チームのチームKPIの中に、チームによっては1から数個の全社的KPIを持つことになります。ここで忘れてはならないのが、真のKPIは全社レベルに影響を与えます。従い、各チームレベルの「KPI」は存在しないことになります。各チームが選定した指標は通常KPIではなくPIです。従い、全社的KPIに対しては各チームがその重大性を理解できるように、全社KPIを明確に定義します。経理部などの本社機能担当の部署はKPIを持たないこともありえます。経理部が責任を追うのは営業利益率などのKRIとなります。

本ステップのまとめ:

各チームが全社の戦略目標を理解した上でKPIを設定することで、全社の成功要因に沿った各チームの目標を明確にすることができます。結果的に、各チームが自発的に目標達成のために動くようになり、チームの士気が上がり、最終的には業績が上がる基盤が出来上がります。

KPIとは」についてはこちらをご確認ください。

KPI管理に関するご質問はお気軽にこちらまでお寄せ下さい。

Twitter @KPITrustでも随時ご質問をお受けしております。


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