「やり切る」文化を浸透させるための5つのステップ
今回は前回ご説明した「やり切る」文化を社内に浸透させるための5つのステップを説明いたします。
タスク1.自らKPIを選択し自走できるようにトレーニングとサポートを提供する
業績改善が成功するかどうかの要因の大部分は、通常各チーム、各個人のKPI管理の理解具合、腹落ち具合によるところが大きいといえます。従いこの各個別チームレベルが自走できるようにトレーニングを提供することは、各部署への適用よりも大きな意味合いを持ちます。KPI管理チームは、個別チームレベルがKPI管理を理解して自走するために、十分な時間を使い教育をし、必要であれば継続的なサポートを与えるように努力します。
タスク2.全ての既存指標をレビューする
全ての組織は往々にしてKPIと呼ばれていないにしても、既存の業績指標を持っています。これらの既存の指標に対しては再度レビューをし、KPI、PI、RI、KRIの4つの指標に分類し、必要なものだけを継続して計測することにします。全社レベルでのKPI管理を成功させるためには、全ての新しいKPIは本プロジェクトを通してのみ採用するようにします。各自が作った指標はKPI管理チームが本採用をする前に、試運転をしてKPIとしての適性をきちんと評価してから、本採用します。
一度、各従業員が本当のKPIとはどうあるべきかという教育を受け、理解をした後には、既存の指標に対する重要性は少なくなるはずです。全ての既存の業績指標やプロセスは、本KPI活動の順調な経過に伴い、自然と淘汰されていき、主眼は新しいKPIとそのプロセスへと置き換わっていくはずです。
タスク3.4つのKPI導入の基礎を随時確認する
新しいKPIについて大まかな合意が得られた段階で、それらの要素がKPI管理の4つの基礎に基づいて設定されたものかを随時確認します。本当に重要なものだけを現場が気持ちよく計測をし、目標を外れたときは現場が率先して動けるものでなければKPIを設定する意味はありません。
1.関係各部署との優良なパートナーシップ
2.現場への権限委譲
3.本当に必要なものだけ計測してレポートする仕組み
4.組織の重要成功要因と結びついていること
タスク4.取得方法とプロセスを検証する
折角選定した優れたKPIも実際に計測できなければ意味はありません。関係各部署と相談しながら、指標の計測プロセスを検証し、最終的なアウトプットと取得スケジュールを合意します。KPI管理導入に際する主だった障害はこの段階で解決できるようにします。
タスク5.戦略目的との関連を定義する
選定したKPIが戦略目的に合致したものかを検証します。戦略目的に関してはそれだけで一冊の本が書けるほどの内容があります。従い応用は2年目以降とし、初年度は経営学として一般的に定義される戦略目的に集中して、それらとKPIとの関係を検証します。
財務の視点
顧客の視点
内部プロセスの視点
学習と成長の視点
これらのタスクを通して、貴社の内部で「やり切る」文化が浸透していくはずです。
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